多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは
通常1つだけ育つはずの卵胞が何個も育ってしまい
排卵までに時間がかかったり、排卵に至らず無排卵になってしまう症状のことを言います。
私にはこの症状があり、自力で排卵できるのは年1回あるかないか、という厳しい状態。
子供を望むためには、不妊治療がほぼ必須となります。
治療の末、妊活開始から9か月、排卵誘発治療1回目という
比較的早い段階で1人目を授かることができましたが
2人目は始めから排卵誘発をして、授かるまでに11周期かかり
途中身体に不調が現れたりもしました。
振り返れば、約1年という期間で授かることができたので
不妊治療としては序の口だったかもしれませんが
治療中は先が見えず、何より一喜一憂を何度も何度も繰り返すことが、とてもしんどかったです。
今回は、その2人目の治療内容について記録していきたいと思います。
1人目の内容については↓の記事をご覧ください!
2人目を考える
以前から、子供はできれば2人欲しいと考えていました。
年齢のことを考えると、できるだけ早く備えた方が良いと思い
長男が産まれ、生理さえ始まったら妊活を再開するつもりでした。
産後3ヶ月、半年と月日が経っても
生理が来る気配はまったくありませんでしたが
完全母乳で育てていたため、ホルモンの影響で生理の再開が遅くなっている可能性が高く
また、ある程度間隔をあけて身体をしっかり休めた方が
早産などのリスクが減ると聞くし、良いだろうという気持ちもあり
序盤は気楽に考えていました。
長男は母乳に執着がなく
1歳を迎える頃にすんなりと卒乳。
しかし、1ヶ月以上経っても生理が始まる気配がなく
さすがに不安になってきました。
卒乳とともに基礎体温の計測を再開しましたが、結果は横ばい。
これは、PCOSが治っていないに違いない。
そう思った私は、早めに不妊治療を再開しようと考え
再び、以前お世話になった婦人科を受診することにしました。
妊活(不妊治療)再開
内診の結果、やはりPCOSだということが再確認されました。
”妊娠・出産でホルモンバランスが整い、PCOSが改善されていた!”
”2人目は思いがけず自然妊娠した!”
なんて話を聞いたことがあり、淡い期待を抱いていましたが
私には当てはまらなかったようです。
2人目となると治療の話はトントン進み
1度薬(プラノバール)で生理を起こしてから
早速、排卵誘発剤を使うことになりました。
1周期目:クロミッド開始
治療内容:生理5日目(D5)からクロミッド 1日2回 5日間
⇒プラノバールでリセット
まずは、長男の時と同じくクロミッドから始めました。
以前はこれで排卵したため、今回も大丈夫だろうと思っていたのですが
内診の結果、まったく卵胞は育っていませんでした。
薬を過信してすっかり安心しきっていたため、この時のショックは大きかったです。
その後2日おきに再受診して成長具合を確かめましたが、育つ気配はまったくなく
薬(プラノバール)を使って生理を起こすことになりました。
2周期目:温経湯開始
生理5日目(D5)からクロミッド 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
⇒プラノバールでリセット
1回で諦めるのは早いと
温経湯という漢方をさらに毎日服用するようにし
クロミッドを再び試すも、卵胞は育ちませんでした。
3周期目
生理5日目(D5)からクロミッド 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
⇒プラノバールでリセット
時間とともに漢方が効いてくることを期待し、3周期目は2周期目と同じ内容を繰り返しました。
しかし、この周期も卵胞は育たず。
このままクロミッドを続けても効果が望めないため、違う薬を試すことになりました。
4周期目:レトロゾールに変更
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日1回 5日間 + 毎日温経湯を服用
⇒プラノバールでリセット
次に試すことになった薬は、レトロゾール(フェマーラ)。
PCOSの患者にはクロミッドよりもレトロゾールの方が効果がある、という研究結果があり
期待していました。
まずはレトロゾール1日1錠から。
そして、卵胞チェックの日。ドキドキで上がった内診台。
しかし、卵胞は育っていませんでした。
私のPCOSは、年齢を重ねてさらに悪化していたようです。
まったく排卵する気配のない卵胞に
「もう、自分は排卵できないのではないか」
「自分の生殖機能はもう終わった…?」
などと悪いように考えてしまい、不安に駆られる毎日でした。
5周期目:レトロゾール増量
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞25×21mm 内膜10で排卵誘発(hCG注射)
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×2)
5周期目からはレトロゾールを1日2錠で飲むことになりました。
するとやっと、卵胞が育ったのです!
この時は本当に嬉しかったです。
やっと大きくなってくれた卵胞は日数が経つごとに順調に育ち、なんとか排卵まで漕ぎ着けることができました。
しかし残念ながら、妊娠には至りませんでした。
6周期目:自然排卵を待つ
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞27mm 内膜8で自然排卵
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×3)
6周期目も同じくレトロゾールを使いましたが
卵胞チェックの日と病院の休診日が重なり、hCG注射を使って排卵誘発することができませんでした。
病院の休みがあけ、受診した頃には卵胞はパンパンで排卵間近になっており
この周期は自然排卵を待つことになりました。
長男の時も大きめの卵胞だったため
期待は持っていたのですが、残念ながら予定通りに生理が来ました。
7周期目:クロミッドに再挑戦
生理5日目(D5)からクロミッド 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
⇒プラノバールでリセット
3周期レトロゾールを使って妊娠に至らなかったので
1度薬を変えよう、と
もう1度泣きのクロミッドを使ってみることになりました。
体質が変わって効くようになっていないかな、と思ったのですが現実は厳しく
やはり、まったく排卵する気配はありませんでした。
8周期目:レトロゾール再開
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞27×18mm&20mmの2つ、内膜10で排卵誘発(hCG注射)
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×2)
8周期目からはレトロゾールを再開。
この周期は卵胞が2つ育ち、内膜も厚めで
大きな期待が持てた周期でした。
卵胞が2つということは、受精の確立も単純に考えると2倍。
そして、双子になる可能性がありますが
妊娠できるならば、それでも良いと思っていました。
高温期がいつもより安定していて、しかも右肩あがりの体温。
これはついに、赤ちゃんが来てくれたのでは…?
と、かなり期待していましたが
そんな覚悟も期待もむなしく、生理はやってきました。
9周期目:生理が止まらない
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞21×19mm 内膜6で卵巣刺激(hMG注射×2)
卵胞25mm 内膜8で自然排卵
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×1、デポー注射×3)
期待してはダメで、また期待をしてもダメで。
一喜一憂することに疲れてきたため、一旦治療を休むことも考えましたが
時間は待ってくれません。
とりあえず、その時々でやれることはしよう。治療は続けようと
なんとか立ち直り、臨んだ9周期目。
しかし、この周期はいつもと違い、生理がなかなか止まりませんでした。
心配になって少し早めに病院を受診すると
卵胞は育ってきているけれど、ホルモンバランスが崩れてしまっているのだろう、とのこと。
卵巣を刺激するhMGという注射をし、さらに卵胞の発育を促すことになりました。
2日連続でhMGを注射をすると、次第に出血が止まりましたが
強めの刺激をしたことにより卵巣が腫れてしまい
排卵後の黄体ホルモンの注射は、いつものhCGではなく
主に「デポー」という注射で行いました。
排卵後の黄体の様子もいつもと違い
黄体化未破裂卵胞(LUF;排卵せずにそのまま黄体化してしまった卵胞)のように丸く残っていたので不安でした。
先生によると、排卵はしているようだ、とのことでしたが…
高温期の上がりも悪く、右肩下がりで早々に低温期の体温に戻り
ほとんど期待できない周期となりました。
10周期目:続く不調
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞22×17mm 内膜6で排卵誘発(hCG注射)
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×2)
前回の周期で卵巣が腫れたため、生理中から内診し
注意深く卵巣を診てもらいました。
腫れがひかない場合は1周期見送りの可能性もありましたが
無事に腫れがひいていたため、予定通りレトロゾールで排卵誘発を行いました。
しかし、低温期の体温が高めな一方で、高温期は上がりが悪く安定せず
今回もほぼ期待の持てない周期となりました。
そして、予想通り生理に。
前回の周期と同じく調子が悪く、身体のバランスが崩れてきてしまっているようで不安でした。
11周期目:2人目を授かる
生理5日目(D5)からレトロゾール 1日2回 5日間 + 毎日温経湯を服用
卵胞23×22mm 内膜8で排卵誘発(hCG注射)
排卵後⇒黄体ホルモン補充(hCG注射×2)
レトロゾールを再び連続で3回使用し、妊娠に至らなかったので
次の手段として、hMG(卵胞を育てる注射)を使う方法を検討するように言われたのですが
9周期目でhMGを使った時に卵巣が腫れたこともあり
もう少し、飲み薬のレトロゾールを続けてみたい、と申し出ました。
そして、連続使用4回目のレトロゾール。
この周期は低温期でなかなかしっかり体温が下がり
高温期では上がって差が分かりやすく、久しぶりに好調でした。
生理予定日に体温が下がった時は、またダメかと思いましたが
その日生理は来ず、翌日体温が再び上がり…
結果、この周期で2人目を授かることができました。
治療を初めて1年が経とうとする、11周期目のことでした。
日常生活で取り組んだこと
1人目の時と同じく、病院で行う不妊治療以外にも
日常生活でできることはないかと、自分なりに探して実践していましたが
治療が長引くにつれて、自分に課すルールがどんどん増えていくことになりました。
過度な制限は逆にストレスになる、とは分かっていても
これで少しでも排卵しやすくなるのなら、と実行せずにはいられませんでした。
11周期繰り返してから振り返り、今言えるのは
「排卵する時は排卵するし、しない時はしない。」
ということ。
結局は薬での治療が1番効き目があり、ダイレクトに排卵の有無に関係していました。
でも、少しでも症状が良くなるならと、こだわり始めてしまうんですよね…。
何かすることで気持ちが楽になる部分もあると思います。
念のため、参考として取り組んだ内容を以下にまとめておきますが
”少し心がける”程度に気楽に考えて、どうか、あまり思い詰めないようにしてください。
運動を心がける
1人目の時はフルタイムで働いており、ほぼ1日中立ち仕事だったのに対して
2人目の妊活時は育休中だったこともあり
子供を見ている必要があるため、なかなか運動の時間がとれませんでした。
意識的に息子と一緒に散歩に出るようにし、よく歩くようにしていました。
葉酸サプリを飲む
1人目の時と同じく、妊活当初から飲んでいました。
最初はベルタからスタート。
しかし、費用がかさむため
途中からコスパの良い「ミテテ」も使っていました。
今まで使ってきた葉酸サプリの比較レビューもしているので、よかったらご覧ください!
糖分を控える
PCOSにはインスリン抵抗性を持っている人がおり
インスリンが効きにくくなっていることが多く
血中のインスリン濃度が高くなる⇒アンドロゲン(男性ホルモン)、LHの分泌を亢進させる
という理由で排卵障害が発生することがあります。
検査をしてインスリン抵抗性があると言われたわけではないのですが
少しでも排卵させやすくできるならと
できるだけ糖分を控えた抵GIの食事を心がけていました。
白米は玄米にチェンジし、麺類は蕎麦をチョイス。
また、間食が大好きなのですが
甘いお菓子の代わりにナッツやチーズ、ハイカカオのチョコレートを食べるようにしていました。
↑72%のチョコレート効果は、ハイカカオなのに苦みが少なく美味しく食べられるためヘビロテしていました。
ミックスナッツを食べる
糖分を控えると同時に、良質な油分やビタミン・ミネラルをとるために
意識的にナッツを食べるようにしていました。
ナッツの1日の適量は片手ひと掬い分、と言われていますが
これ以外のおやつを食べると罪悪感を感じてしまうため
とにかく毎日たくさんのナッツを食べました。
私は食べ過ぎていたため身体に悪い変化もありました。
詳細は↓の記事をご覧ください。
ルイボスティーを飲む
ノンカフェイン・抗酸化作用ありということで
1人目のときも意識的に飲んでいたため、今回も飲むようにしていました。
体重を増やす
妊娠しやすいと言われるBMI、21を目指して体重増加をはかりました。
ハイカロリーのナッツをたくさん食べていたためか、自然と少しずつ増量。
関係があるかは不明ですが、妊娠したのはBMIが20を越えた頃でした。
舞茸を意識的に食べる
舞茸に含まれる「マイタケオール」という成分がPCOSに効く、という研究結果があることを知り
週に1株は必ず買って意識的に食べていました。
今は手軽に摂れるサプリメントもあるようです。
神様にお願いする
毎日息子との散歩で神社を参拝し、神様にお願いしていました。
不妊治療の話題はデリケートなので、悩みを1人で抱えがちになりますが
こうすることで気持ちが楽になっていたと思います。
おわりに
治療期間約1年、そしてタイミング法で授かれたことを考えると
治療したとはいえ早くに授かれている、恵まれている、と言われるかもしれません。
しかし、当時は先が見えず
毎日生活習慣に気を遣い、苦い漢方を飲み、基礎体温測定で一喜一憂し
最初の卵胞チェックでは毎回ドキドキし
高温期後半ではソワソワ、生理予定日付近ではトイレが怖くなり…
期待しないようにしていても、やっぱり生理が来るととてもショックを受けて。
それを何度も何度も繰り返すことが、本当に辛かったです。
「○○年の○月にお腹に来るよ!」「○か月後に赤ちゃんができるよ!」と
夢の中でもなんでも、教えてもらうことができれば頑張れるのにと
本気で何度も思いました。
治療の期間も段階も、その時々の状態も人によって様々で
こうだから楽だ・マシだ、こうなら辛いわけがない、なんてことはないと思います。
それぞれの段階でそれぞれの辛さがあり
不妊治療中は、誰だって多かれ少なかれ、悩むものだと思います。
そんな中、同じ境遇の方々や、先輩ママの体験談を聞いたり読んだりすることで
励まされたことが、たくさんありました。
今度は私の体験が、誰かの気持ちを少しでも楽にすることができたなら
とても嬉しく思います。
ご覧いただきありがとうございました!
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